AOYAGIFACTORY
BLOG業務自動化6分で読めます

不動産の物件資料作成を効率化|手作業を減らす手順

物件資料を毎回手作業で作っている不動産営業向けに、資料づくりを効率化する手順をまとめました。物件情報の置き場所、ひな形化、表示ルールの確認、比較資料の自動作成、よくある失敗まで解説します。

内見の予約が入るたびに、物件資料を一から作っていませんか。図面を貼り、住所や賃料を打ち込み、周辺の情報を調べ直す。お客様ごとに比較表も作ると、営業に使える時間がどんどん削られていきます。

この記事では、不動産の物件資料づくりを効率化する進め方を扱います。読み終えると、次の3つが分かります。

  • 物件資料の作成に時間がかかる理由と、その見つけ方
  • 物件情報をひな形に流し込んで資料を作る手順
  • 自動化しても人が確かめるべき点と、よくある失敗

物件資料の作成に時間がかかる3つの理由

手間の原因は、資料を作る作業そのものより、その前後にあることが多いです。

1. 同じ情報を何度も入力している 物件の情報を、社内の台帳、ポータルサイト(物件検索サイト)の入稿画面、販売図面(いわゆるマイソク)に、それぞれ打ち込んでいる。入力の回数が多いほど、時間がかかり、打ち間違いも増えます。

2. 情報の置き場所がばらばら 図面はフォルダ、写真は担当者のスマホ、設備の情報はメール。必要な情報を集めるところから毎回始まります。

3. 資料の型が人によって違う 担当者ごとに使うファイルや並べ方が違うと、ほかの人の資料を流用できません。手直しにも時間がかかります。

まずは1〜2週間、資料づくりにかかった作業を書き出してください。「情報を集める」「入力する」「体裁を整える」「確認する」の4つに分けるだけで十分です。どこに手間が集まっているかが見えてきます。

物件情報の置き場所を1つにする

効率化の土台は、物件の情報を1か所にまとめることです。台帳を1つ決め、資料もポータルの入稿も、そこから作る形にします。

台帳に持たせる項目の例は、次のとおりです。

  • 所在地、交通(最寄駅と徒歩の所要時間)
  • 価格または賃料、管理費、敷金・礼金などの取引条件
  • 面積、間取り、築年月、構造、設備
  • 図面と写真の保存場所
  • 取引態様(売主・貸主・代理・媒介の別)と、情報の更新日

最初はエクセルやスプレッドシートでも構いません。大切なのは「この物件の正しい情報はここにある」と全員が分かることです。顧客の情報が散らばっている場合の整理の仕方は、顧客リストを一元管理する手順でも扱っています。

また、図面や写真のファイル名に物件の番号を付けておくと、あとで自動で読み込みやすくなります。

物件資料をひな形に流し込んで作る手順

ステップ1:資料のひな形を決める

販売図面、お客様向けの物件紹介、複数の物件の比較表。よく作る資料ごとに、ひな形を1つずつ決めます。項目の並び順と表記のしかたも、ここでそろえます。

ステップ2:台帳の項目とひな形をつなぐ

ひな形の「賃料」の欄には台帳の「賃料」が入る、という対応を決めます。こうしておけば、物件を選ぶだけで資料の大部分が埋まります。小さく始めるなら、文書作成ソフトの差し込み印刷(表のデータを文書の決まった欄に流し込む機能)でも試せます。

ステップ3:比較資料を自動で作る

お客様の条件(エリア、予算、間取りなど)に合う物件を台帳から選び、比較表にまとめる作業も仕組みにできます。担当者は、並んだ物件を見て、お客様に伝えたい点を書き足すことに時間を使えます。

ステップ4:文章の下書きにAIを使う

物件の紹介文やお客様へのメールの下書きは、AIに任せやすい作業です。台帳の情報を渡して下書きを作らせ、人が直して仕上げます。ただし、AIは事実と違う内容を書くことがあります。台帳にない設備や周辺の情報が書かれていないか、必ず確かめてください。

ステップ5:問い合わせの一次対応とつなぐ

資料の送付依頼が多い場合は、問い合わせを受けた時点で、該当する物件の資料を返信文に添える流れも作れます。送る前に担当者が確認する形にすると、誤送信を防ぎやすくなります。

自動化しても人が確かめるべき表示ルール

物件資料のうち、広告として使うものには、表示のルールがあります。業界の自主ルールである「不動産の表示に関する公正競争規約」と、その施行規則です。

たとえば徒歩の所要時間は、道路距離80メートルにつき1分が基準です。首都圏不動産公正取引協議会の解説では、地図上で測った道路距離を80メートルで割り、小数点以下の端数は切り上げて表示するとされています。500メートルなら6.25となり、7分と表示する例が示されています(出典:徒歩所要時間について|首都圏不動産公正取引協議会)。

こうした計算は仕組みに任せやすい部分です。一方で、元になる道路距離を正しく測れているか、どの物件が広告に出せる状態かは、人の確認が要ります。規約は改正されることがあるため、最新の内容は公正競争規約の紹介|不動産公正取引協議会連合会で確認してください。

なお、契約の段階で交付する書面にも変化がありました。改正宅地建物取引業法が2022年5月18日に施行され、重要事項説明書、契約締結時書面、媒介契約締結時書面などを電磁的方法(電子データ)で提供できるようになりました。相手方の承諾を得ることが前提です。また、書面に出力できること、電子署名等により改変が行われていないかどうかを確認できることなどが求められます(出典:報道発表資料|国土交通省)。電子化を進める場合は、国土交通省のITを活用した重要事項説明及び書面の電子化についてで最新のマニュアルを確認してください。

費用感と進め方の目安

費用は、どこまでを仕組みにするかで変わります。台帳とひな形を整えるだけなら、今あるソフトの範囲で始められることもあります。比較資料の自動作成や、問い合わせ対応との連携まで含めると、作り込みが必要です。

進め方としては、まずよく作る資料1種類から始めるのがおすすめです。うまく回ったら、比較資料、問い合わせ対応へと広げます。手順が担当者の頭の中にしかない場合は、属人化を解消する方法も参考になります。当社の最新の金額と納期は料金の目安をご確認ください。

よくある失敗と対策

失敗1:台帳を作っても、資料側を直接書き換えてしまう 急いでいると、資料のファイルだけを直してしまいがちです。台帳と資料の内容がずれ、次に作る資料が古いままになります。修正は必ず台帳で行い、資料は作り直す運用にしてください。

失敗2:成約済みの物件が資料に残る 台帳の状態を更新しないと、すでに決まった物件を比較表に載せてしまいます。広告に残したままにすると、おとり広告(実際には取引できない物件の広告)にあたるおそれもあります。「募集中」「申込あり」「成約」などの状態を台帳に持たせ、募集中の物件だけを資料に出すようにします。

失敗3:AIの下書きをそのまま送る AIが書いた紹介文に、実際にはない設備や誤った周辺情報が入ることがあります。送る前に、台帳の内容と照らし合わせる手順を決めておきましょう。

失敗4:最初から全部の資料を自動化しようとする ひな形が多いほど、準備に時間がかかり、途中で止まりやすくなります。最も作る回数の多い資料から始めてください。

まとめ

不動産の物件資料作成を効率化するには、まず物件の情報を1つの台帳にまとめます。そのうえで資料のひな形を決め、台帳の項目を流し込む形にします。比較資料や紹介文の下書きは仕組みやAIに任せ、担当者は確認とお客様への提案に時間を使えます。

ただし、徒歩の所要時間などの表示ルールや、広告に出せる物件かどうかの確認は欠かせません。まずは今週、資料づくりにかかった作業を書き出すところから始めてみてください。

自社ではどこから手を付けるべきか、一緒に整理します。

相談は無料です。今の業務の流れを伺ったうえで、自動化する順番と、 自動化しないほうがよい部分をお伝えします。

RELATED

関連記事